VCAP - DTM Design (3V0-753) 受験体験記

私事ではございますがブログの更新をしばしお休みし、VCAP試験を受験してまいりました。

今回はそのVCAP - DTMの試験に関する体験記として、
受験の準備・当日の様子などを記したいと思います。
これから受験を考えていらっしゃる方のご参考となれば幸いです。

 

注:本記事で紹介している例文などは実際に出題された問題のご紹介ではありません。

 

目次:

・RCARについて

 ・出題範囲・出題傾向について

・学習リソースについて

・vSANについて

 

 

RCARについて

RCARについてまとめておきたいと思います。
VCAP - Design試験を受けた事のある方はよくご存知かと思いますが、RCARとは

・Requirement
・Constraint
・Assumption
・Risk

の頭文字を取った略語となります。
VMwareの導入段階における、実際の顧客とのやり取りを想定した問題が出題されます。
顧客からのメッセージを上記4種類に分類せよ、みたいな問題が出てきます。

上記のうち、一番わかりやすいのは"Risk"です。
IT業界、とりわけインフラ系に従事されている方であれば、パッと思いつくリスクが
大体そのまま答えになってくれる事がほとんどです。

例文1:「顧客のL3スイッチは冗長化される予定が無い」
例文2:「顧客の筐体は保守が切れているがそのまま使用する予定である」

 

...はい。そのまんま"Risk"ですね。

 

次に想像しやすいのは"Requirement"です。

"Requirement"というワード、そのまま"要求"と捉えてOKです。

例文1:「Windows7からWindows10への移行をする必要がある」
例文2:「顧客はハードウェアの刷新と共にセキュリティ強化をする必要がある」

 

"要求"である為、英文でテストを受験する際、"should"や"must"が入っている選択肢を
Requirementとして選ぶのではダメか...とたまに質問を受ける事があります。

確かに結果として回答がRequirementである事は多いのですが、出題文の本質を見極める必要があるので
個人的にはこの解き方はオススメ致しません。
should / must で終わる文章でもRequirement以外が回答となる事もあります。 

 

このRCARにおいて一番悩ましいのが、"Assumption"と"Constraint"かなと思います。

・Assumption:仮定

・Constraint:制約

日本語に訳すると上記となりますが、この2点については日本語の"仮定" / ”制約”として
選択肢を考えるのは危険です。

往々にして、日本語の持つイメージと結びつきません。

こういうときは、英英辞典を頼ってみましょう。

Assumption:something that you think is true although you have no definite proof

Constaint:something that limits your freedom to do what you want

なんとなく、言葉の持つ意義がわかってきた方は素晴らしいです。
Assumption:true    /  Constaint:limit  というワードが出てきました。

 

ここで一つ例文を出してみます。AssumptionかConstraintか、考えてみてください。

 

 

例文:予算は最大で$100,000である

 

 

日本語の"仮定", "制約"という面から捉えてしまうと、
途端にどっちだかわからなくなってしまいます。

この"予算は最大で$100,000である" という例文、
見た時に導入に携わるIT担当は何を思うでしょうか。

 

「あとこれだけ予算があればストレージを増強できる」

「さすがにこれではEnterpriseライセンスの購入は無理だ」 などなど...

背景を考えると、"true"というよりも"limit"の側面が強いセンテンスかなと感じる事が出来れば
RCARのマスターへの道はすぐそくです。

 

Answer: Constraint

 

もう一つ例文を出してみます。

 

例文:クラスタは6台構成だが、去年導入したばかりなのでリプレースの必要がない

 

 

こちらについてはいかがでしょうか。

先程の問題もそうでしたが、日本語の"仮定", "制約" という面から捉えてしまうと、間違いなく
"どっちでもない!"という回答になってしまいます。

このセンテンスについてわかる事は、"去年導入した"という事実であり、真実です。
また、リプレースの必要が無いのであれば何かを"limit"してしまう背景もありません。

 

Answer: Assumption

 

 

このRCARについては、VCAP-DCV Design試験でも多数出題されるため、
学習の際にはVCAP-DCVの学習リソースなどを参考にいただくのがいいかなと思います。
(実際YoutubeなどでもVCAP-DCV向けとしてRCARに関する動画が多数投稿されておりますが
DTM試験でも完全に応用が可能なので、見ておいて損は無いです。)

なおVCAP-DCV試験ではRCAR概念の他に"Functional / Non-Functional"等
他の概念も出題されましたが
私がDTM試験を受験した際はこういった概念の話はRCARのみに留まりました。

 

 

出題傾向

RCARの話はほどほどに、一番気にされるのは出題の傾向かなと思います。
あくまで体感値となりますが、参考程度に共有したいと思います。

まず本文ですが...非常に問題文が長いです。
VCP試験と比べると異質なくらい文章が長いですので、英語で受験される方は覚悟が必要です。
(10行程度の問題文である事もざらですので、英語を読むだけで時間が取られてしまいます。)

 

 

出題数・傾向(体感):

Horizon View  >  Identity Manager(現WS1 access) >  UEM(現DEM) > RCARなど、構築・設計一般・計算問題 > UAG

 

やはり、一番多かったのはHorizon View関連です。

VCPではほとんど出題されなかったCloud Pod Architectureをはじめとして
ケーススタディ形式のライセンスやClone方式の選択問題、
VCPの類似問題ともいえるようなポート番号・プロトコルを問う問題も出題されました。

Horizon Viewについては、VCP同様幅広く事前に勉強しておく必要があると感じられますので
VCPを受験されてから日の経っている方は、まずVCPで出題された問題を思い出して
VCPレベルの対策を始めていただく事を取っ掛かりとしていただければ問題ないと思います。

 

ただしどのDesign試験にも当てはまりますが、一問一答形式の問題が少ないです。
問題文を読み、消去できるものは消去をして、そこから更により正しいと思われるものを選んでいくスタイルで回答していくパターンが多いと思います。

例えば問題文に"Windows 8で構築したい"という文言がある場合、回答選択肢の中から
"Instant Cloneを使用する"選択肢が消去できます。
更に問題文に"可能な限り容量を節約したい" と記載がある場合Writable Volumeを使用する選択肢と使用しない選択肢ではどちらがより最適か...と考えていく解法になります。

 

 

次に多かったのはIDM関連問題という印象です。
ユーザのケーススタディ形式問題が多い兼ね合いで、様々な認証系の要求に応えていく問題が多いです。

SAMLやKerberos、TrueSSOなども合わせて必ず確認しておいた方がいいかなと思います。

また、IDMについてはその特性を確認しておくといいと思います。

IDMはどのようなときに使われるか? 一例:リモートアクセス・クラウドへの接続... などなど 

 

 

学習リソースについて

他のVCAP DTM試験の体験記でも記載されている事が多いですが、海外の有志が
試験範囲のPDFをまとめて下さっていますので、ご確認いただくといいかなと思います。
http://www.euc-kiwi.com/2017/11/27/vcap7-dtm-design-exam-study-guide-part-1/

現に私もこちらでまとめられているPDFを主な学習リソースとしました。

 

このHorizon ViewとIDM関連の問題で、おおよそ70%弱くらいを占めている...そんなイメージでした。

 

また私が個人的につまずいたポイントとして、"SQL Server"が肝になりました。
お恥ずかしい話WindowsSQLはほとんど構築経験が無かったために、勉強の随所でつまずきました。

SQL ServerのQuery詳細等、細かいSQLの問題は出題されませんでしたが
どのような構成でSQLを構築するべきか? Oracle DBはどのコンポーネントなら使用可能か?
どのようにSQLを立てるか? などについても可能な限り確認しておくといいと思います。

 

またこれはテストの為の勉強という感じであまり気が乗らなかった部分もあるのですが、
色々なコンポーネントの旧名について、確認しておいた方がいいです。
(現にDEMも、全てUEMとして出題されますし、WS1 accessも全てIDMとして出題されます。)

 答えはUAGのはずが、選択肢には"Horizon Access Point Appliance"とあったり...
回答は出せるのに、知らない事で正答を選べない状況は勿体ないです。

 

 

vSANについて

VCAP-DTMの特徴として、vSANの基礎知識があると望ましいです。

コンポーネントをvSAN上に配置する事によるリソース計算がどのように変わるのか、や
vSAN上にコンポーネントを配置する事による注意点なども軽く触れておくといいかなと思います。

 

例えばvSANはFTT=1の場合最小3ノードでクラスタ構成が可能ですが
1ノード障害による冗長性を確保する為には最低4ノード必要となります。

これくらいの前提知識でいいので、vSANを全く触れた事の無い方は確認しておくといいと思います。

 

逆にvSAN知識が無いと解けない問題も数問出題されますので
vSANを捨てる事は個人的にはオススメできません。

 

 

 

ここまで散々偉そうに体験記として記載している中恐縮ですが
結果は300点以上が合格でまさかの300点ピッタリによる合格でした。

非常に綱渡りな合格ではありましたが、一度で合格できて一安心...といったところです。

折を見て、DTMのDeploy試験にも挑戦予定ですので、合格した際には
体験記として共有出来たらいいなと思います。

 

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