VCAP- DTM Deploy(3V0-653) 受験体験記

少し古い試験ではございますが、先日VCAP DTM Deploy試験に合格しましたので
対策内容等をメモしておきたいと思います。

個人的には"温故知新"という言葉がフィットするテストで、
試験自体は確かに古いのですが、現在に至るまでのDTM関連ソリューションの
"進化の軌跡"を追えるような意義のある試験だったと感じています。

 

試験概要並びにBluePrint:

https://www.vmware.com/jp/education-services/certification/vcap6-dtm-deploy-exam.html

 

【Deploy試験とは?】
そもそもvmwareが提供するdeploy試験とはどういったものか、からメモしておきます。

"VCAPはVCPのワンランク上の試験である"という事はこのページを訪れたほとんどの方が理解されていると思いますが
そのうちdeployと位置付けられる試験は"LAB-based"の試験となります。


テストセンターで試験が開始されるといきなりWindowsのデスクトップ画面が表示され、
右側に問題文が表示されています。
画面はvmware hands-on-lab(以下"HOL")を起動させた時の画面に酷似しています。

 

HOLを起動させると右側にマニュアルが書かれていますが、ここが問題文に変わっています。
画面右上には残り時間と試験終了ボタンがあり、左上にはSEND TEXTボタンがあります。
イメージが難しい方はこのURLで気になったものを開いてみるといいかなと思います。
https://labs.hol.vmware.com/HOL/catalogs/

 

一問ごとに回答してコンソールを再起動する...みたいな作業は必要無いです。
全ての問題は全て同じ一つの環境上で回答出来るようになっています。
数問を除けばほとんどが独立している問題なので、例えば "問1を実施していないと
問2が出来ない" ような問題はほとんどありません。
時間がかかりそうなものは後回しにする、といった対応も可能です。

 

具体的な問題数は秘密保持の観点から明言は控えますが、このDTM試験においては
1問10分の計算では間に合わないです。
そこまで回答した全問に正解しても恐らく合格ライン届かないと思います。
個人的にはDCVで受験したdeploy試験より数倍時間が厳しかったです。

 

【COVID-19に関する内容について】

私は神奈川県のテストセンターを受講しましたが、このテストセンターでは
三密を避ける為の対策が徹底されていました。

 

テスト受講生の配置や換気消毒のご配慮に加え、
試験中はマスク着用義務もあったおかげで
テスト問題以外の部分で心配になる事は幸いありませんでした。

 

LAB-basedという事もあり、テストセンターへ伺う必要がありますので
ご心配な方は時期を見極めて受験されるといいかなと思います。

vmware社のCertification Managerでも周知がされていました。

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LAB-basedだからといって、VCP試験より早めに行く必要がある等の制約は
特にありません。通常通りテストセンターへ向かいましょう。


【VCAP DTM Deploy試験のハードル】
個人的に得られるものはとても多かったのですが、
受験を目指すためにはハードルが高いと感じられる部分もありましたので
以下に内容を列挙してみます。


・Horizon Mirageが試験範囲に含まれている(既にサポートを終了している)
・Deployする為のコンポーネントが非常に多く、ある程度自前のテスト環境が必要とされる

 

最初のHorizon Mirageについてですが、こちらは既にEOSL製品と位置付けられていますが、こちらに関する問題が出題されます。
また問題数も1-2問では無いため、"Horizon Mirageは捨てる"という選択肢は実質無いものと考えた方がいいと思います。

 

ダウンロードリンクは投稿時点では使用可能ですので
以下からダウンロードして展開しましょう。
https://my.vmware.com/jp/web/vmware/downloads/info/slug/desktop_end_user_computing/vmware_mirage/5_0

またHorizon Mirageは少し特殊で、ESXi環境が必須ではありません。
その為相互に疎通が可能な場所に配置されていれば、vSphere環境外(Windows物理サーバなど)にdeployをしてもOKです。

 

【問題比率について】
あくまで私が受験した際の体感による比率となりますが、以下のような感じでした。
Horizon Administrator >> Horizon Mirage >> Identity Manager >>

   >>Thinapp,GPO >> その他V4H, Appstack等

 


さすがにHorizon Administrator上で実行する問題が一番多かったです。
Poolの作成やEntitlement、設定の変更やCPA関連に至るまで非常に広く出題されました。

全体の40-50%程度はこのHorizon Administratorに関する問題だった記憶があります。

 


その次が、意外でしたがHorizon Mirageに関する問題が多いです。

こちらもBase Layer/App Layerの作成等、基本的な内容は薄く広く出題されますので
Common Wizards項目は一通り確認しておいた方がいいかなと思います。

 

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MirageについてはDeployするコンポーネントがいくつか存在するので
ESXi環境上に立てる場合はリソースの事前計算をしておく事を勧めます。 

 

ほとんど差はありませんが、Mirageと同じくらいの割合でIdentity Managerが出題されました。

Mirageとは違いvIDMはテンプレートからすぐDeploy出来ることや
実際の問題でADとの連携に関する問題が出題されたので、可能な限り手元にDeployする事を勧めます。

 

その他GPO等AD周りの問題やThinapp、Appstack、V4H等が数問出題されており、脇が固められている印象を受けました。

 

私は必要なコンポーネントは全て手元でDeployして検証して試験に臨みましたが
リソース等の兼ね合いで難しい方向けに、手元にDeployするべき製品等をグループ化してみました。

 

テスト環境でDeployするべき製品
・テスト環境用AD DNS
・Horizon Mirage製品
1. Horizon Mirage Server
2. Horizon Mirage Management Server
3. Horizon Mirage用のWindows SQL Server
4. Horizon Mirage Gateway VM
・Thinapp

理由:vmware Hands-on-LABで体験する事が出来ない為、
   自身でDeployする以外に検証する術がない。

 

VMware社のHands-on-Labで代用が可能であるもの
・Horizon Administrator
※ ただしHands-on-Labを使用する場合はLinked Clone・V4Hの環境が手に入らない為、
可能な限り手元でDeployしておく事をお勧めします。

手元でDeployする場合はView Composer並びにSQLServerをDeployしましょう。

・Identity Manager (現Workspace ONE access)
※ こちらもDeployした事の無い方は可能な限りご自身の環境上にDeployする事をお勧めします。

・AppStack

・vRealize Operations Manager

・vSAN Cluster

 

【時間との戦いについて】
まず覚悟が必要なのは、"回答する為にインストールするソフトウェアが多い"事です。
ほとんどのVMでview agentは未インストールですし、broker agentやhorizon client・
 appstack agent等も未インストールです。


また例えばMirageのlayer作成やV4Hの受信メトリクス表示など、
どうしても数分から10分程度待機が必要な問題も出てきます。
この待機時間に次の問題を見ておく等の時間管理は必須になると思いますので
冒頭でもお伝えした通り、"時間がかなり厳しい試験である"事は覚悟した方がいいでしょう。

※ 私も時間を割くべきではないと判断をし、回答を諦めた問題が2問程度ありました。

 

【"SEND TEXT"の活用について】

こちらはDTMだけでなくDCV等でのVCAP試験でも同様のTips的項目になりますが
GUI画面に直接文字を打とうとすると、英字キーボードの為特定の文字を受け付けない等の問題に遭遇します。

また正しく認識しない(一文字抜けたり同じ文字が2回押下されている事になっている)等がたまにあり
これがパスワード入力中とかだと弾かれてテスト中にかなり焦るので
出来るだけSEND TEXTボックスを使うようにするといいと思います。

このSEND TEXTボックスの使用感については、事前に何かのHand-on-Labで試しておくといいと思います。

 

 

 

体験記は以上です。
しばらくHorizonとにらめっこする時間が続いたので、
気分転換にVDIからは遠いソリューションを学んでみようかなと思います。

vmwareのCertification Manager上ではVCIX 2020になっているんですが
ACCLAIMだと2019になってましたので、2019版のロゴを掲載しています。)

 

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