vCenter7新機能:Update Plannerについて

最近は自前のテスト環境をvSphere7環境で動かしている事が多くなりましたが
vCenterの管理項目で新たに追加された"Update Planner"機能について備忘録として
記載しておきたいと思います。

 

Update Plannerとは

一言で表すとすれば、こういう良い方がいいかなと思います。

"管理しているvSphere環境をupdateする際に、整合性を確認してくれる機能"

 

今までは環境のアップグレードを検討する際、
VMware Product Interoperability Matricesを確認する必要がありました。

VMware Product Interoperability Matrices

 

管理下で動作しているVMwareの製品がvCenterとESXiくらいであれば
そこまで苦になる作業ではありませんが、それだけではなく
NSXやHorizon View, WorkSpace ONEやvRealize系など、
多岐にわたる製品を使用している環境では
マトリクスを確認するのも一苦労となる事がしばしばでした。

そのマトリクス確認を実施する手間が省けるようになった機能、と覚えていただければ
概ねvmware社の意図しているものと間違いないと思います。

 

機能を使用する為の要件は以下の2つですね。

1. 少なくともvCenterがCEIPへ参加している事

2. 有効なインターネット接続が可能である事

こちらはvSPhere6.7で登場したオンライン健全性確認と同じ要件になるので
既に6.7U3でオンライン健全性を利用していた方は、それ以上の考慮は必要なさそうです。
(vSANでもリリースカタログをオンラインで引っ張ってきて互換性を確認する機能がありましたが
 その動きと同じイメージでいいと思います。)

 

Update Planner画面について

 

実際にUpdate Plannerを開く前にvCenterのサマリ画面を見比べてみたいと思います。

 

こちらの画面は見慣れたvCenter6.7U3の画面です。

f:id:pocmemo:20200614232525p:plain

 

他方vCenter7.0ではこのような画面になっています。

 

f:id:pocmemo:20200614232708p:plain

 

ほとんど変わらないように思いますが、バージョン記載の右側に
小さく"使用可能な更新" と青く表示されている事がわかります。

実はこのボタンはマウスカーソルを合わせるとクリック出来るようになっており、
実際に押してみるとUpdate Plannerの画面に移行します。
(勿論タブから直接遷移してもOKです)

 

f:id:pocmemo:20200614232918p:plain

 

この画面で出来る事はこんな感じです。

・現在の整合性確認

・vCenterのアップデートを見据えた整合性確認

 

f:id:pocmemo:20200616054551p:plain

 

このうち、2番目のアップデートを見据えた整合性確認については
vCenter7.0 U1, U2がリリースされた後に本格的に使用する事になる機能かなと思います。

記事掲載時点ではvCenter7.0 のみリリースとなりますので
"現在の運用性確認" に焦点を置いて確認してみます。

 

まず、Update Plannerでは管理下の各ESXi HostやvSAN, NSX-Tについては
自動で導入されているか否か検知をしてくれます。

Horizon 7 やIdentity Manager (WS1 Access)、vRealize系製品は
別途手動で登録してあげる必要があります。

※ 試しにvSPhere7.0と整合性のあるHorizon Administrator 7.12を環境に導入し
  vCenterとの連結をしてみましたが、Update Plannerでは自動検知されませんでした。

 

まだこの環境にはvSANやNSXは導入しておりませんので、それぞれの表記を確認する為
手動でいくつか入れてみました。

 

f:id:pocmemo:20200616054728p:plain

 

ESXiについては自動で認識してくれています。
検証環境にはHostが5台いるので、(5)はHostの数を表していると考えられます。

VMware Horizonについては、先程記載したように本当は7.12が入ってますが、
あえて7.7.0としています。

既存のバージョンとvCenterの互換性が無い場合は互換性のあるバージョンを表示してくれている事が
わかりますね。

次にIdentity Managerを追加した行について。
こちらについては整合性が取れている事から緑色のチェックが付いています。

次はVIC (vSphere Integrated Container)の行について。
実はこの機能、現状ではまだvSphere7には対応しておりません。

その為、互換性のあるバージョン無し、と出力されています。

 

互換性のお話は、以下からも確認ができますね。

vSphere 7.0 へのアップグレードを行う前の重要な情報 (78487)
https://kb.vmware.com/s/article/78487?lang=ja

 

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これらの製品は、現在 vSphere 7.0 とは互換性がありません。

NSX Data Center for vSphere
vSphere Integrated Containers
vRealize Operations

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なおvRealize Operationsについてはその後v8.1がリリースされ、
晴れてvSphere7への対応が解禁されています。

恐らく掲載日の兼ね合いで情報が前後しているのだと思います。

vRealize Operations Manager 8.1 Release Notes

 

参考:

f:id:pocmemo:20200616062519p:plain

 

 

 

この機能については、"この画面で全てのアップデートが出来るようになる機能"ではなく
"アップデートのプランニングに一役買ってくれる"ものなので、派手な印象は受けませんが
これからvSphere7.0の新しいリリースが出るに従ってありがたみがどんどん感じられる
そんな機能になる予感ですね。