Nutanix環境におけるESXi整合性の確認について

Nutanix環境 + ESXi 使用時の整合性について

ちょくちょく質問を受ける、"Nutanix環境でのESXiの整合性について"

紐解いて確認していきたいと思います。

 ※ 事前のお断りで恐れ入りますが、各種筐体のベンダーにより個別で保持している特殊な要件が無いか否かは別途ご確認をお願い致します。

NutanixとFirmwareに対して直接のCompatibilityは (ほとんどの場合)存在しない

"Nutanix環境をUpdateしようとしているがFirmwareの整合性はどのように確認したらいいか"

という質問を社内外問わずいただくことがあります。

こちらについては多くの場合、"ハイパーバイザの構成状況次第" が回答となります。

そもそもNutanixのCompatibilityを確認すると、ハイパーバイザのバージョンくらいしか確認項目がありません。

https://portal.nutanix.com/#/page/compatibilitymatrix

Nutanixから見たときに重要となるのはFirmwareというよりもESXiとなります。

他方ESXiから確認した時に重要となるのはVIBとFirmwareの整合性です。

Firmwareから見たときにNutanix機能で重要になる場面は稀で、多くの場合ESXiとの整合性がとれていれば問題ありません。

 

まとめると相関はこのような関係です。

 

                     Nutanix  ←→   ESXi   ←→  Hardware

 

結果実施する手順に相違はありませんが、"どのコンポーネントのUpdateが必要であるか"に即したときに

個人的に確認がしやすいと感じるアプローチについて記載いたします。

 

1. NutanixのAOSをUpdateを実行する事が目的である場合

   この場合、まずはそのバージョンへのアップデートを予定しているAOSバージョンに対応しているハイパーバイザバージョンを確認しましょう。 (  Nutanix  ←→   ESXi  )

 

現行のESXiが上記で記載したCompatibility Matrixに含まれている場合、必ずしもESXiのアップデートは必要ないと判断されるため

Nutanix関連コンポーネントだけアップデートすれば問題ありません。

ESXiについてもついでにアップデートしたい場合は下記2番をご参考にESXiについて確認が必要となります。

 

2. ESXi Updateが必要となり、それに伴いAOSをupdateする場合

 ESXiのupdateを実施する場合、Nutanix環境では、各種要件を満たす場合Prism GUIからのアップデートが可能です。

要件としてvSphere DRS機能が有効化されている(= vSphere Enterprise ライセンスで運用している) 必要がありますのでこちらは事前に確認しておきましょう。

https://kb.vmware.com/s/article/2109507?lang=ja

 Prismを使用しない通常のUpdateも勿論問題ありませんので、ケースバイケースで選択できるようにしておくことが大切です。

 

 Prism上からUpdateを検討している場合、Nutanixのサポートポータルからダウンロードできるjsonファイルで確認が可能です。

https://portal.nutanix.com/#/page/static/hypervisorDetails

試しに "6.5.0-u3-13932383-Dell-A00.json"ファイルを使用し確認してみます。

実行可能な条件は以下2点です。

・現行ESXi versionが "upgrade_from": [ 内に含まれているESXiのversionであること

・ 現行AOS versionが "nos_version": [   内に含まれているAOS versionであること

※ Nutanix AOSは以前NOSと呼称されており、その名残で"nos_version"と表記されております。

 

3. Hardware Firmwareのアップデートが必要で、それに伴いESXiやNutanixのUpdateが必要か否か確認したい場合

上記の場合はまず  ESXi   ←→  Hardware  の観点から確認が必要です。

特定のFirmwareをupdateする場合、多くの場合はVIBのアップデートが必要であることにとどまり、version updateまで必要でない場合がほとんどですが

version updateが必要と判断される場合はその時点でupdate先ESXi と現AOSの整合性確認を行いましょう ( Nutanix  ←→   ESXi  )。

 

4. 環境全ての大幅な刷新が必要な場合

この場合はご購入の筐体ベンダーへ相談いただく事も選択肢に入りますが、

個人で確認を行う場合はNutanix AOSをベースにご確認いただくことをお勧めします。

理由として、NutanixのSupport Life MatrixがESXiに比べ短めに設定されている事が挙げられます。

また、可能な限りESXiのバージョンはその時点で最新としておくことをお勧めします。

(前提として、いつであっても原則すべて最新バージョンであることが推奨ですが...)

毎回Nutanix AOSが定める一番古いバージョンのESXiを使用していると、次回NutanixのEOSLが迫ってきたときにちょこちょこと環境全体のアップデートが必要となる可能性が高いです。

Nutanix AOSのローリングアップデートだけであれば環境の停止は必要無いため(ESXiも可能ですがESXiの1ノード欠けは発生)、

ESXiを古いバージョンで使用して毎回AOSに合わせてESXiのアップデートをしていると

かえって停止時間・メンテナンス工数の増加に繋がります。

 

Nutanix社のEOSL Information

http://download.nutanix.com/misc/AOS_EOL/AOS_EOL.pdf

vmware社のEOSL Information

https://www.vmware.com/content/dam/digitalmarketing/vmware/en/pdf/support/product-lifecycle-matrix.pdf

ESXiとFirmwareの整合性確認について

ESXiそのものの整合性についてはNutanix環境か否かは関係なく、純粋にvmware社の定めるCompatibility Matrixに沿っていれば問題ありません。

(あくまで相関は  ESXi   ←→  Hardware  であるため)

ご存知の方も多いと思いますがURLは以下となります。

https://www.vmware.com/resources/compatibility/search.php

 

製品カテゴリ:Sytems / Serversの状態ですと多くの場合筐体ならびにBIOSのHITのみとなりますので

必要に応じてIO Devicesなど他項目から確認しましょう。

以下は検索の一例となります。

f:id:pocmemo:20200101223019p:plain

 

NSXやHorizonなどのアップデートに伴い確認する場合

この場合ですが、Nutanixが見ているのはあくまでESXiのため、NSXやHorizonの整合性確認についてはNutanix AOSの考慮は必要ありません。

例えばHorizon View Connection Serverのアップデートを実行する場合でも、

ESXiに変更が無ければNutanixを考慮する必要はありません。

 

 

 

以上、NutanixとESXi, Hardwareの関係についてでした。